7月例会は「生物多様性と人間」と題して小原芳郎さん(YAOクラブ会員で財団法人 日本自然保護協会の自然観察指導員)による格調高いお話をしていただきました。
 
    
 地球温暖化や地球規模での人間による開発によって、今、多くの「種」がこの地球上から急速になくなりつつある、と、報じられている。
 しかし、地球温暖化はどのようにして起こり、その結果、何が起こるのか・・・・。
このような大きな話は、つかみ所がなく、頭では理解したつもりでも、結局、日常生活の中に埋没してしまい、忘れがちになってしまいがちのところを、講師の小原さんは、日本のどこにでも生息していた、身近な動物「カエル」を例にとって話を進めていただきました。

 「カエル」は日本のどこにでも生息していた、と、過去形で書いたのは、身近な存在だった「カエル」が実は絶滅危惧種に指定されているという信じがたいお話。
 
 「カエル」は両生生物(両棲類)で水中と陸上のどちらかがあれば住むことが出来ると思っていた、が・・・。
 「カエル」は・・・タマゴ→オタマジャクシ→カエルと変態する、これは我々人類の祖先が何億年をかけて水の中から水辺にそして陸上とたどった過程を、わずか2ヶ月の間に再現している貴重な動物である、従って両生生物は水中も陸上もないと生きていけない動物なのです。

 「カエル」がなぜ絶滅危惧種になったのかは、水田の畦がコンクリートで固められたうえに、さらに農薬の散布が考えられる。
 カエルの食性はほとんどが肉食性で、田や畑を荒らす虫を取ってくれる役に立つ動物なのです。
 カエルがいなくなれば田には更に農薬が散布されるだろうし、カエルを食べていた動物の生存を危うくするであろう。

 野生の動物はそれぞれの役割を持って生きていることがわかる、人間の身勝手な理由で絶滅させることは、未来に大きな禍根を残すことになる。

 ─たかがカエル、されどカエル─

 と、小原さんは言った。